第1話 結界師は仕方なく現実的な選択をすることにした
各話末尾のうんちく部分だけを、ブログ記事のように読みやすく整えたページです。
◆ギルドの保証金について
この世界ではギルドに所属する際には「保証金」が必要です。これは所属する個人が何かギルドに不利益をもたらした場合に “ ギルドを助ける ” ための保証金です。この世界、特に魔境に進出した街「マナエル」は非常に過酷な環境にあり、たとえ個人を犠牲にしてでも組織を守らなければ生きていけない環境にあります。大きな組織の場合、多少問題が生じても組織の存続に問題はありませんが、小さなギルドの場合、個人の問題が組織全体の存続維持に深刻な影響を与える場合があります。ですから、小規模ギルドは高い保証金を要求します。主人公のシドは同じ「雑用」ならば保証金の負担がない冒険者ギルドが良いと判断しました。
◆この世界の能力について
この世界は人族、亜人の使う能力の源と、魔物、悪魔、魔人など「魔」に属する者たちが使う能力の源は「異なる源」となっています。人族、亜人の使う能力の源は「法力」、「魔」に属する者たちが使う能力の源は「魔力」です。成人式で与えられる職業にはこの「法力」を自動運用する『スキル』があり、それを生かして仕事を行います。例えばミオの場合、聖剣士ですが、剣士の職業に属する常時身体強化という自動能力があり、また“ 素の法力 ”である『無属性』の法力を『聖属性』に変換する自動能力もあります。特に冒険者ギルドなどの戦闘職ギルドではこの自動能力は最も重要視されます。しかし、この世界の人間は自動能力が無いからと言って“ 素の法力 ”、無属性の法力を使えないわけではありません。主人公はこの無属性の法力を使いこなし、逐次身体強化で戦闘を行う能力を既に持っています。しかし、彼は自分が自動能力が無いことを気にしており、冒険者ギルドに「戦闘職」として所属することをためらっています。
◆ギルドの営業許可について
この世界の専門職はギルドが営業許可を出します。例えば、伯父であるリカルドの職業は「料理人」で、彼は料理人ギルドから営業許可をもらい、店を開いています。料理人ギルドが営業許可を与える基準は、料理人の腕の良し悪しではなく、「料理人」の持つスキルである食品の安全性を見抜く能力に基準があります。ですから、たとえ主人公が伯父の店を継いだとしても、料理人ギルドは衛生管理上の理由で営業許可を出さず、店は閉店になる可能性があると主人公は考えています。一方、リカルドは実務をよく知っているため、主人公をオーナーとし、料理人は別に雇えば良いと思っており、その点が相互の行き違いになっていて、主人公は安易に伯父の提案には乗れないと思っています。そのため主人公にとって、伯父の提案は現実を無視した「トンデモ発言」に映っているのです。