Episode 6Trivia Only
第6話 聖法術師は試験教官を絞め落とす
各話末尾のうんちく部分だけを、ブログ記事のように読みやすく整えたページです。
◆二重のミスディレクションについて
今話では二重のミスディレクションが描かれています。一つはミクロ的なミスディレクションです。キャサリンは木剣を落とすことを通してカレンの視線を誘導し、その隙に後ろに回り込んで絞め落としています。これは個人技としてのミスディレクションによるキャサリンの勝利ですが、冒険者ギルド側にはもう一つマクロ的なミスディレクションによる敗北があります。それは新人試験のルーチン化です。メイとカレンの会話から、彼女たちは後衛職の人数的変化は捉えていますが、参加者の実力は例年並みだろうと無意識で予想し、彼女たちが想定できない新人が紛れ込んでいることを想像しさえしませんでした。これは第2話でも扱った冒険者ギルドの体質によるものです。冒険者ギルドはこの魔境で安定収益を上げていますが、これはある意味、危険な兆候です。冒険者ギルドが採取しているのは自然現象の結果得られる資源ではなく、意志ある存在が配置した資源であるからです。それは、意志ある存在がいつでもその資源を取り上げたり、移動させ誘導できる状態にあると言うことです。現在の冒険者ギルドはその様なマクロ的なミスディレクションに誘導されやすい体質を持っていることを今話で見ることができます。